お世話になっている専門学校の卒業式に出席しました。
当たり前だけど、
毎年学生さん達の年齢がわが子に近付いてきていて、
来年はとうとう同じになっちゃうんだと思うと、
10年なんてあっという間です。
専門学校の2年間なんて、どんなに短かったことか。
専門的な知識や技術を学ぶのが学校ですが、
自分の経験も含めて、
たくさんの卒業生を見ていると、
どうやら本当に必要なことは社会に出てから身につくようです。
学生のうちは、どうしてもピンと来ないのも無理はないことだと思うけど。
なので、学生を卒業してからが本当の勉強のはじまりなんだよ!と伝えたい。
いや、そんなこと伝えなくても、1年後にはきっと気がついているでしょう。
勉強って、できなくなってから、したくなるもの。皮肉なものです。
人生は後悔だらけ。
だから明日に期待したり、1年後、2年後に夢を描いてみたりするけど、
私は未来に予想図を作ったりしない。
予定はくるうから面白い。
明日があるなんて思わない方が、今日、がんばれる。
今すぐにでもやりたいことがある。
それは年をとったから!
おかげでたいていのことは楽しくなったし、こわいものもずいぶん減りました。
帰りの電車の中で、そんなふうに考えました。
若いみんなは、30年後くらいにそういう気持ちになっていればいいんじゃないかな。
今は若者らしく、いっぱい焦ってください。
大学や専門学校は本来社会人を育てるべき場所、
どうやって世の中で生きていくかを学ぶ最後の場所だと思うのですが、
特に美術の分野で今それが崩れてきている気がします。
まだまだ技術も精神も成長する時期なのに、
手で作ることをコンピューターにまかせてしまったり、
コンセプト重視の作品ばかり作っていっぱしの作家になりきってしまう
”もったいない”若い人達。
もの作りに対してもっと真摯にのぞむ姿勢が見たいですよねと、
Y先生と話したのでした。
「手間のかかることと、カンタンにできること、
そのどちらにするか迷ったときには、手間のかかる方を選んでおけば
間違いない」と教えてくれた、祖母の言葉を思い出します。