最近、お友達のYさんとメールのやりとりをしていて(同業の方です)、
前にも増して考えるようになったことがあります。
それは、私の仕事は自分の夢だったわけではない、ということです。
あらためて思い起こしてみると、ハッキリと夢を持った覚えがない。
私の仕事は自分にとってこの世に生まれてきた理由そのものです。
なので、「夢」の意味がわからないのです。
そもそも、「夢」ってなんだろう?
こんなニュースもありました。
「自費出版:著者4人が「新風舎」提訴」
大雑把に言うと、「本を出すこと、本が書店に並ぶことが夢だったのに、それをさも実現しそうに持ちかけられて裏切られた」という内容のようです。
だけど、思うんです。
本というのは、書店が自分の店に置こうと思う内容でなければ、取り扱ってくれないのは当たり前です。なぜそこのところを冷静にを考えられなかったんだろうか?ということ。
もうひとつ思うことは、
「本が書店に並ぶことが夢だった」と言われてもねえ・・・ということです。
つまり、本が書店に並んだら、商品になったら、たしかにそこで作者の個人的な夢は実現します。
で、それで終わりですか?
本当に実現したいものの一歩手前が、夢。そんな感じがします。
「夢を仕事に」という考え、わからないわけではありません。
でも、どんな仕事でも「責任」をともなうわけです。
「夢をかなえた」という人がいても、本当にその内容は必要とされる確かなものでしょうか?
最近、このような自己実現のために絵本を出版したり、イラストレーターになりたいという人が増えているので、
そこにうまく乗ったような商売が出てきているのも確かです。
「夢を叶える簡単ではやい方法」を目の前にぶらさげて甘いことを言う人間は、
本当にあなたのことを考えてくれている人ではありません。
自分(あるいは自分の作品)を客観的に見て、冷静な判断をすることが必要です。
若い人達にはよく考えてもらいたいものです。