西巻茅子さんの講演会のお話には、『我が家と同じだ!』と思う嬉しいエピソードがいくつかありました。
その中のひとつが、ご両親が西巻さんが台所の壁にぎっしり鉛筆で描いたいたずら描きを消さずにおいた、ということ。
ある程度の年齢になったご本人はそのいたずら描きが恥ずかしくて、
「うちの母親はなんでこれを消さないのかしら?」と、
友達が来るたびにそこを避けるようにして部屋まで案内していたそうです。
それを聞いたとき、私は長男がベランダの外壁に油性ペンで描いた『さかさまのびっくり顔』のいたずら描きを思い出しました。
それがこれです!
なぜ”さかさま”なのか、そのナゾはすぐに解けました。
いつのまに描いたんだろう!あぶないなあ・・・と思いながら、
私も西巻さんのご両親と同じように、引っ越しをして家がかわるまで、それを大事にとっていました。
(賃貸の集合住宅だったので消して出なければなりませんでした。消すときの淋しさも覚えています)
外から我が家のベランダの外壁を見ると、小さいながらいつもこの『さかさまのびっくり顔』があり、クスッと笑ってしまったものです。
かわいい思い出です。
西巻茅子さんは、ご両親がいたずら描きを叱らなかったこと、
絵ばかり描いていた自分をまったく止めることがなかったことに
あるときふと気がついたんだそうです。
私もまったく同じでした。
息子もそんなふうに気がついてくれる日がいつか来るかしら?
息子は今、美大に通っています。