朝日新聞の「私の視点」という投稿欄に、代理母について日本の法律は過剰反応だと書いてあり、つい真剣に読んでしまった。
書いたのは、英米の法律を専門とする若い大学の先生。(男性)
「英米では普通に認めていることなのに」という切り口は、正直言ってどうかと思う。
もっと根本的なことを書いて欲しかった。
「時代にあった法律の改正」と言う専門家の意見をよく耳にするけれど、
本当にそれでいいのかどうか。
たしかに日本でも代理母が認められれば、幸せになれる人がいっぱいいる。
それは喜ばしいことです。
だけど、どうしても人間が超えていけない一線を感じるのは、
私の考えが古くさいからなんでしょうか。
人生には辛いことがいっぱいあって、思うようにいかないことはいくらでもあるわけで、
今、人類が超えてしまったいろんなことのしわ寄せが、いろんな形の不幸となって
人間を襲っているような気がするのです。
でも、幸せになれる方法があるのに、なぜ認めないのかと言われれば、
答えに困ってしまうのも事実。
「あなたは普通に子どもが生めたから」と言われてしまえば、返す言葉もありません。
今生きている幼い命を救うための法律ははやくできればいいと思うけど、
今から生まれてくる命はどうなのか。同じなのか、ちがうのか。
人間がコントロールしていいのか、いけないのか。
そんなことを考えていたら、広島の川で悲惨な事件が起きた。
生まれたばかりの赤ちゃんに、せめてTシャツを着せた母親の気持ち。
自分の罪を少しでも軽くしたかったのかと責められても仕方ありません。
子どもが生まれない夫婦にとってはこれ以上の怒りはないだろうと思うとまた、
胃のあたりが熱くなるのです。